No.6  東北被災地復興に思う

 私は気仙沼バル(http://kesennumabar.com/)の中小企業診断士支援活動に2015年から参加しています。この活動に参加するきっかけになったのは、2014年の夏に妻と二人で三陸海岸沿いのバスツアーに参加したことでした。3.11の震災後、一度東北の被災地に行ってみたいという気持ちがずっとあって、たまたま新聞紙上の広告で見た旅行代理店のツアーに妻を誘って参加しました。
 ツアーは2泊3日で八戸から仙台までの主に海岸線沿いをバスで周遊する、総勢30人程度(ほとんどが私たち夫婦の年代以上の中高年世代が主体)のものでした。前半の八戸から宮古あたりまでは、北山崎のザッパ船に乗ったりするエンターテインメント満載の観光旅行でした。しかし、後半の釜石以南に来ると、バスから見る海岸沿いの景色は一変しました。北三陸の隆起地形に対し、南三陸は沈降地形のいわゆるリアス海岸が続き、津波による被害が最も大きかった地域なのです。従い、バスで海岸線沿いを巡ると、海が見える場所に来るたびに、以前は市街地であったであろう場所が津波によって根こそぎ持って行かれ、かろうじて住宅の基礎部分のみを残す以外は全て雑草地になっていました。その光景を前にして、バスに乗っている観光客全員が言葉を失い、涙しました。その時に、自分で微力ながらでも被災地のために何かできないかと思った次第です。
 気仙沼バルについては、中小企業診断士の異業種交流会から被災地商店街への支援目的で発足したイベントということで、以前から知ってはいましたが、バスツアーの体験から自分でもバルに参加してみようと思ったわけです。
2015年から2回参加して、実際に現地の商店街の方々とお話していく中で、色々なことを考えさせられます。震災後丸5年が経過して、仮設の商店街から本設の商店街へちょうど移行するというタイミングなのですが、本設のビルは賃料が高く、契約年数も20年という縛りがあったりして、高齢の店主様などは本設ビルへの移行に二の足を踏むというお話など、身につまされます。
 最近は「地方創生」、「コンパクトシティ」というようなキーワードで地域の活性化が語られるのですが、現実の厳しさを感じさせられます。一店舗・一商店街だけでは解決困難でも、街全体、更に広域の複数の市町村エリアで連携して、国内外の観光客の誘引を行い、若者の定住化を促進し、地域全体を活性化することが必要と考えます。
そのお手伝いを微力ながらできればと思っています。
 皆さん、是非東北へ行ってみてください。山海の珍味を味わうもよし、風光明媚な地を散策するもよし、魅力満載な東北を楽しんでみてはいかがでしょうか?
参考情報:気仙沼じゃらん