NO.12 リビア勤務時代のエピソード③

 リビア駐在時の話として、娯楽の少ない国であったとの話を以前しました。しかし、そういった中でも、我々駐在者はそれなりに休日や余暇の過ごし方は工夫していました。
  まず、観光地ですが、リビアにはローマ帝国の遺跡が多数ありました。写真は、トリポリから東に車で1時間半程行ったホムスという街の郊外にあるレプティス・マグナ遺跡です。円形劇場や浴場・水洗トイレなど、当時のローマ人の生活の様子がよくわかる美しい遺跡です。2000年もの昔に、ある意味で今よりも文化的な生活をしていたのではないかと思われます。
  また、海は何と言っても地中海ですから、水の透明度・美しさはさすがです。冬場(12月~2月くらい)を除けばほぼ1年中泳げますので、我々駐在者も何度も海水浴に行きました。ただし、女性(駐在者帯同の奥様など)の場合は泳ぐのをためらわれました。それは、中近東の場合(国にもよりますが)、女性が肌を露出することをイスラム法では禁じているので、現地の人々からすると奇異の目で見られるからです。外国人の女性は宗教上の規制はありません(これも国によります)が、水着を着ていると現地の男どもは穴のあくほど見つめるので、恥ずかしくなってしまういうわけです。
 それから、食べ物(酒についてはブログNO.4を参照)ですが、我々駐在者でゲストハウスに居た人は、当時は日本人コックさんがいて、日本料理を作ってくれたので、特に不自由はしませんでした。コックさんが時々市場で魚を仕入れてきてくれて、マグロなど刺身で食べたりしました。とても美味だったのですが、そういった魚類は日本人などごく少数の買い手しかいないので、たまにしか手に入らない高級魚でした。
 レストランについては、当時は日本料理店がなく、行った記憶があるのはレバノンレストランくらいでした。やはり肉料理それも羊肉が中心なので、調味料として醤油を持参して行ったのを覚えています。(醤油は万能の調味料です)現地料理で有名なのは真っ赤な香辛料がたっぷり入ったリビアスープでしょうか。
 それから、現地では時間を結構持て余すので、日本人駐在者間では麻雀を結構やっていました。あまり大きな声では言えませんが、現地駐在手当としてもらう現地通貨(ディナール)は余っても日本に持ち帰れないこともあり、金銭感覚もマヒして結構なレートでやり取りしていた記憶があります。