NO.14 ペットと住んで

 我が家には8年ほど前からミニチュアダックスフントの女の子がいる。名前はナナ。(7月に家に来たからという単純な命名)息子と娘の二人とも既に社会人になって家を出たので、今では妻と二人+一匹の生活である。
 人間の子供は大きくなったら、お父さんが外出する時の玄関への見送り・出迎えなどしなくなってしまうが、ワンちゃんは忠実である。いくつになっても尻尾を振って飛びついてきてくれる。これも親ばか(飼い主ばか)か?
 犬で8歳といえば、もうシルバー世代(人間では50代か)だが、実は1歳前後の時に生死をさまよう大病にかかったことがあった。食べたものをすぐ吐いてしまい、それがずっと続いて最後は血を吐くほどになったのだ。急いで救急の動物病院に行き、膵炎と判明した。はっきりした原因は不明だが、食物アレルギーが推測された。また、ダックスフントやチワワなどの人気犬種は、繁殖のために近親相関の子をつくったりすることもあり、病弱に生まれることもあるらしい。
 幸い、救急病院での手術・措置が功を奏して、一命をとりとめ、今では元気にしている。しかし、食物アレルギーについては一生治るわけではなく、病気を発症してからは、ずっと専用の餌(これが非常に高価)しか与えていない。人間が食べるものも、結構アレルギー対象のものが多いので、食べこぼしなどにも注意が必要だ。
 犬好きな人はご覧になった方も多いかもしれないが、3年前に公開になった「ひまわりと子犬の7日間」(主演が堺雅人で、殺処分がテーマの映画)を妻と見に行った。いろんな事情でペットを飼えなくなって手放す人は多い。しかし、生き物なので心がある。人間が楽しい時はペットも喜んでくれる。人間が悲しくしている時は、ペットもどうしたのと顔を覗き込んできてくれる。ペットと一緒に住むときには、人間の子供と同じように責任をもって育てていきたいものだ。
 東北大震災や熊本震災でも、仮設住宅にペットと一緒に住みたい、という声が強くあったりしたという話を聞いた。ストレスを癒してくれるという効果もあるし、とにかく一緒に住みたいというごく自然な感情だ。