NO.41 新入社員時の思い出

 春といえば、卒業・就職、進学・進級、などのシーズンだ。今頃は、4月からの新しい生活に希望と不安を抱えながら、過ごしている人達が多いことだろう。私も、思えば39年前、九州から初めて上京するときは、大きな期待とやるせないほどの不安で一杯だった。何せ、高校の修学旅行で関西に行ったのが東の果てで、それまで一度も東京に行ったことがない、九州の田舎っぺだったのだ。初めて乗る新幹線の車窓から、初めての富士山を見て、その美しさと雄大さに圧倒されたのを覚えている。
 そして着いた東京駅。まずは人の多さに戸惑った。そして、なぜか東京の人は白っぽい服を着ている人が多いな、と感じたことを記憶している。みんな洒落た服を着ているように思えたのだろう。そして、九州人から見たら、東京の人間は人種が違うのではないか、もしかしたら取って食われるのではないか、というようなある種の恐怖感を覚えた。今思うと、笑ってしまうほどのお上りさんだったのだ。
 当時は、地方からの新入社員は会社の独身寮に入寮するのが常だった。4畳半・二人部屋で、隣の部屋の声も聞こえるような感じのところだった。今では、プライバシーが守れないということで、このような寮に入る人は少なくなったかもしれないが、当時はそれが当たり前だった。しかし、寮生活は同期生とのコミュニケーションも活発にできて、とても楽しかった記憶が多い。会社での仕事が終わり、寮に帰ると食事(取り立てておいしいわけではなかったが、新入社員の安月給で外食ばかりはできないし、安くて腹一杯食えたので、それで十分だった。)をして、いつも同期のH氏とO氏の部屋に集まっては、上司の悪口を言ったり、冗談を言ったり、ワイガヤしていた。
 入社後、日本全国色んなところに同期の仲間と旅行に行ったのが楽しい記憶だ。入社2年目のゴールデンウィークだっただろうか、同期の仲間4人で北海道一周をした。千歳空港でレンタカーを借りたのだが、タイヤチェーンを携帯しなくていいかどうか、営業所に聞いたら、もう5月だから要らないよ、と言われた。しかし、その年はまれにみる寒波が到来していて、網走では流氷の上に乗れたし、知床では山中で大雪のために動けなくなり、立ち往生してしまった。道路上に立ち往生した車の列ができ、みんなで車を押して動かし、何とか事なきを得たが、それも楽しい思い出だ。

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コメント: 1
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    江崎 (月曜日, 13 3月 2017 18:12)

    そういえば入社の際に九州から一緒に上京したかと。
    新横浜駅で降りて、山田さんのご親戚の(いとこ?)の産婦人科医院( ´艸`)に入寮日前日に一泊させていただいた記憶がありますね。1978年3月末、あれから39年ですか。光陰矢の如しですね。(ちなみに私は学生時代数回(ですが)新幹線で上京しており、入社の際が初めての新幹線ではありませんでした・・・)