No.47 ペットが繋ぐ友達の輪

 No.14で「ペットと住む」というタイトルで我家のワンちゃんのことを書いた。ミニチュアダックスフントの女の子で、今月で9歳になる。今回も、いささか親バカというか、飼い主バカの話ではあるが、最後まで読んで頂けると有難い。
うちのナナ(我家に来た月が7月だったので)は内気でおとなしいが、他人からじっと見つめられたりすると警戒心から吠えることがある。人見知りなので、初めての人だと、なかなか懐くまでに時間がかかる。犬を飼っている人でも、初めての人だと、やはり警戒してしまう。
 しかし、最近、珍しいことがあった。ナナと散歩中、前方から自転車に乗ってサングラスをかけた70歳くらいの男の人が、ナナを見ながら近寄ってきた。ムムッ!怪しい。これはナナがきっと吠えるなと思った。ところがどうだ、男の人が「かわいいねぇ」と言った途端にナナの方から男の人の足元にすり寄って行ったのだ。男の人もやはり犬を飼っていると言っていたが、不思議なこともあるものだ。
 また、別に日には、やはりナナとの散歩中に、今度は70歳くらいの女の人(やはり自転車に乗っていた)が、「かわいいわねぇ」と言ってきたら、ナナの方からすり寄って行った。「私のところはチワワを2頭飼っているんだけど、1頭が去年末に病気で昏睡状態になって、幸い命は助かったけど、ずっと入院しているのよ。」などと話し出した。それから、もう1頭の方も仲がいいのか体調を崩した、ペット保険に入っているが、もう入院費が45万もかかっている、などと10分くらい立ち話をしただろうか。さすがにこちらも話を聞いているのに疲れて、その場を失礼したが、犬を飼っていると自然と友達の輪が広がっていくということがあるものだ。
 同じマンション内でも、ワンちゃんつながりでできたお友達が何人もいる。話をするときも「~ちゃんのお父さん、お母さん」とまるで人間の子供と同じだ。犬の方も相手を覚えてくれると、飼い主以上に甘えたりすることがある。
 近所に15歳になる秋田犬(ケンちゃん)がいるが、最近はもう足腰が弱って、歩くのはおろか立つこともままならない状態になっている。それでも飼い主の80歳くらいの女性が、少しでも犬の気晴らしにと外に連れて出ていることがある。私も声をかけて、大事にしてあげてくださいとお話しした。
 年を取ってから犬を飼うと、どちらが先に死んでしまうか、という問題が起きるが、やはり飼い主としての責任は果たしたい。広島県神石高原町では犬の殺処分0の活動「ピースウィンズジャパンプロジェクト」を推進しており、私も寄付を行った。できれば参考にして頂きたい。