No.48 坂本龍馬展を見て

 既に1週間ほど前に終了したが、先日、江戸東京博物館(両国)の坂本龍馬没後150年特別展を見てきた。


 坂本龍馬と言えば、日本の歴史上の好きな人物のトップに挙げる人が多いであろう。幕末・明治維新には数多くの志士が活躍したし、戦国時代やその他の時代でも数多くの武将なり偉人が存在した。

 

 しかし、坂本龍馬の名が、なぜそこまで日本人の心に刻み込まれているのか。この展示会では、それがよくわかった。


 勿論、薩長同盟成立や大政奉還の立役者としての功績が大きいのは誰しもが知っている。だが、それ以上に、龍馬が日本人の心を捉えるのは、その自由奔放な人となりのためであろう。そして、それを汲み取れるのが、彼が兄姉、友人・知人らに送った多くの手紙のユニークなところによる。


 例えば、姉の乙女にあてた手紙でこういったものがある。当時、手紙は勿論毛筆による手書きで巻物風の紙に書いていくわけだが、龍馬はあるところまで書いたところで、休憩を取り、今度は話の内容が変わるので紙を裏返しにして書き、その話が終わるとまた元に戻って書くという方法を取っている。
 今ならパソコンでそういう書き方も普通にできるが、当時としては誰も思いもしなかったであろう。
 また、150年経った今でも、龍馬の書いた直筆の手紙の原本が新たに見つかったりしており(6月16日朝日新聞掲載:兄権平宛の手紙6枚新たに見つかる)、まだまだ我々の知らない龍馬像がわかることもあるかもしれない。